精神科医を目指す医大生の備忘録

精神科に興味あるけど、どうやって勉強したらいいかわからない。という悩みを解決するために医師国家試験を解説しつつ、勉強していくことにしました!一般の方でも解けちゃったりするので、ぜひともお付き合いくださいませ!

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薬物依存には精神依存と身体依存の2種類あるのはご存知ですか?~115A15身体依存が形成される薬物

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 薬物依存は、本当に怖いので絶対にやってはいけません!

こんにちわ、レモン🍋です!

前回の記事のアクセスが多すぎて、次の記事を書くのにやや勇気が必要だったのですが、あまり気にせずコツコツ続けていけたらと考えています(^^;)

www.d-lemon.site

 

さて、今回から2021年度(第115回)医師国家試験の精神科関係の問題を自分なりに解説していきたいと思います。

ちなみに、115回に出題された精神科関連の問題はこちらにまとめています。

【最新】115回(2021年度)医師国家試験の精神科関連問題まとめ<合計17問> - 精神科医を目指す医大生の備忘録

 

115A15 身体依存が形成される薬物について

まずはいつも通り、国試問題にチャレンジしてみてください!

115A15

115A15
身体依存が形成される薬物はどれか。2つ選べ。
a 大麻
b コカイン
c モルヒネ
d メタンフェタミン
e フェノバルビタール

正解(予想)はこちらをタップ

c e

 

やめたくてもやめられない薬物依存

まずはじめに「動画でサクッと理解したい」方は、私の尊敬する筑波大学の松崎先生の動画を見ていただくとわかりやすいかと思います。

 


精神依存と身体依存と耐性[基本]依存症の理解のために 精神科・精神医学のWeb講義

 

松崎先生の講義にあるように、

まず依存とは

やめられない状態

を指します。

 

そして、依存には「精神依存」と「身体依存」の二種類があります。

精神依存は「欲しくてしょうがない状態」

一つ目の精神依存は、一言で「欲しくてしょうがない状態」と表現できます。

例えば、一度覚せい剤を始めてしまうと、また覚せい剤が欲しくてたまらなくなる状態です。

 

誰しも一度くらいテレビドラマや映画で薬物依存の患者さんが、

「もっとくれ~」

と薬物を欲しがって暴れまわっているシーンを見たことがあるのではないでしょうか(;^ω^)?

 

より医学的には、次のように定義されます。

精神依存は、薬物による精神作用(快感)を得るため、または不快な離脱症状を避けるために薬物摂取の強迫的欲求を感じること

 

精神依存の生じるメカニズムとしては、脳の中の「中脳辺縁系」という部分でのドパミン神経を中心とした報酬系が関与していると言われています。

 

身体依存は「やめると離脱症状が出ること」

二つ目の身体依存ですが、これは「やめると離脱症状が出ること」と表現できます。

離脱症状は、薬物を止めることによって生じる不眠やけいれんなどの症状をさします。

例えば、アルコール依存の患者さんが離脱時に手が小刻みに震える「手指振戦」をきたすのは有名ですね。

「震える手で、必死に(アルコールが売っている)自販機にお金を入れる」なんて描写を映画などで見たことがある方もいるかもしれませんね(;^ω^)

 

厚生労働省のサイトには離脱症状の例として以下のようなものが掲載されていました。

不眠、過眠、抑うつ、不安、焦燥、幻覚、筋肉や関節の痛み、妄想、けいれん発作、食欲亢進、脱力、嘔吐、下痢、異常な発汗

ちなみに離脱症状は禁断症状なんて言われたりもするようです。

 

医学的な小難しい定義も一応載せておきますね!

身体依存は、生物が薬物に適応して薬物の存在下で生理的平衡が保たれるようになるため、薬をやめることにより身体的異常が生じるようになること

だそうです(^^;)

 

薬のある状態に身体が適応してしまうとは、人間の適応力が高いが故のある種の悲劇ですね(^^;)

 

もう一つ重要な「耐性」という言葉

 薬物依存を理解する上でもう一つ重要なのが「耐性」という言葉です。

「彼は、ストレス耐性がある」なんて意味で普段使う「耐性」という言葉ですが、

 

薬物依存での耐性は厚生労働省のサイトを参照すると次のような意味になります。

耐性とは、依存性薬物が効かなくなり、同じ効果を得るのに量を増やさないといけなくなること。

 

直感的には、松崎先生の使ってらっしゃる

酔うのに必要な量が増えていく

という表現がわかりやすいかと思います。

 

この耐性形成というのが、薬物依存の怖いところです。

 

「少しだけだし・・・」と軽い気持ちで薬物を始めてしまったとしても

 

耐性が形成されると、最初と同じ少量ではだんだん効果が得られなくなるため

「全然足りない!!!」

「もっとくれ~~!!!!」

 

どんどん使用量が増える負のスパイラルに陥ってしまうのです💦

 

いやー本当に薬物依存は怖いです。

 

逆耐性という現象も

耐性とは反対の「逆耐性」という現象もあります。

 

逆耐性は、耐性の逆なので

使えば使うほど、少しの量で大きな効果が出る

という現象です。

 

もし覚せい剤による「快感」効果に逆耐性現象があれば、「使えば使うほど少量で快感が得られる」のでだんだん使用量が減っていってまだマシなのですが、

残念ながら覚せい剤による快楽には耐性しかありません。

 

逆耐性は、覚せい剤による幻覚(悪口が聞こえる)妄想(誰かに狙われている気がする)などの精神症状において現れます

 

そのため、覚せい剤を使用し続けると

  • 快楽→耐性現象のため、同じ使用量では得られる快楽はどんどん減る
  • 幻覚や妄想→逆耐性現象のため、同じ使用量で生じる幻覚や妄想はどんどん悪化する

という「期待する効果はどんどん減り、副作用はどんどん大きく」なる如何とも笑えない状況になります。

 

また覚せい剤を長期間続けると、薬への感受性が高まってしまうため、逆耐性現象とは別にフラッシュバックという現象がみられます。

 

フラッシュバックは、仮に覚せい剤を止めたとしてもアルコールや、他の依存性薬物、またストレスなどの刺激だけでも幻覚や妄想などの症状が再燃します。

 

以上の説明からわかるように、覚せい剤は一度始めてしまうと、

「止められなくなる」、

「止められたとしてもフラッシュバックなど後遺症に悩まされる」

という本当につらい状況に陥ることは明白なので、

 

違法薬物には絶対に手を出さない!

 

ということが本当に本当に重要です!!!

 

試験頻出の依存形式の一覧表

先程までの「とにかく違法薬物はやらない!」という話が薬物依存で最も重要な話なのですが、

試験問題を解くためには最低限暗記事項が必要ですので、ここから先はさらっと試験対策の話を書かせていただきます(^^;)

 

医師国家試験(やその他医療系国家試験)では

どの薬剤に身体依存や耐性形成があるのか?

ということが問われます。

 

医療関係の方なら以下の表を一度は見たことはあるのではないでしょうか?

◆表:薬物と精神依存・身体依存・耐性形成

薬物名 精神依存 身体依存 耐性
オピオイドモルヒネなど)
バルビツール
ベンゾジアゼピン
アルコール
ニコチン
覚せい剤メタンフェタミンアンフェタミン
幻覚剤(LSD、メスカリン)
有機溶剤(シンナー・トルエン
コカイン
マリファナ大麻
解熱鎮痛薬(アスピリンなど) ±
 

 ※簡易的に作成しているため、詳細は成書等を参照してくださいm(__)m

 

個人的には、Google隆盛の現代社会においてこの表を正確に覚えていることにどこまで意義があるのかは不明ですが、試験に出る以上は医療系学生の方はキチンと覚えておきたいですよね!

 

ということで、自分が使わせていただいている覚え方を紹介させていただきます!

 

まず大前提としては「精神依存は表のすべての薬剤にある!」と覚えましょう!

 

次に、「身体依存のある/なし」と「耐性形成のある/なし」がポイントになります。

身体依存ありのグループ

身体依存ありの薬剤は、「精神依存・身体依存・耐性形成あり」の三冠王の強力な薬が集まっているグループですね。

 

私の覚えているゴロは

「体にある鬼婆ベロベロ」

というゴロです(笑)

メディックメディアさんの「医ンプット」というゴロまとめサイトに掲載されていたものを改変させていただいています。

 

→身体依存あり

ある→アルコール

オピオイドモルヒネなど)

→ニコチン

ババ→バルビツール

ベロベロベンゾジアゼピン

 

身体依存なし、耐性形成ありのグループ

これは、医師国家試験予備校であるMedu4の穂積先生の受け売りになりますが、

 

総称に「剤」とつくもの=身体依存あり・耐性形成なし

 

というものです。

 

覚せい、幻覚有機のいずれもとつきますよね!

 

ただ、この覚え方の場合、覚せい剤・幻覚剤・有機溶剤のそれぞれの具体的な薬剤名を覚えておく必要がありますね!

覚せい剤ならメタンフェタミン、幻覚剤ならLSDと頑張って覚えましょう!

 

身体依存なし、耐性形成なしのグループ

最後に「身体依存なし、耐性形成なし」、すなわち「精神依存しかない」グループですね。

 

このグループの覚え方は、

マリ子、明日は耐えれない

というゴロです(笑)

 

マリマリファナ

→コカイン

明日アスピリン

耐えれない→耐性形成なし

 

 という感じになります。

ちなみにこちらも、「マリファナ」を「大麻」に変えて出題されたりするので、マリファナ大麻というのは覚えておく必要があります(^^;)

 

以上、自分自身の覚え方を書きましたが、ゴロ系は合う合わないがありますので、ご自身で工夫されて覚えてみてください!

 

いずれにせよ、こういったものは覚えたもの勝ちなので、一度気合いを入れて覚えてしまって、得点源にしましょう(^^)/

 

 最後に医師国家試験問題115A15の解説

 さて、前置きがかなり長くなったので冒頭の問題を再掲載させていただきます。

115A15
身体依存が形成される薬物はどれか。2つ選べ。
a 大麻
b コカイン
c モルヒネ
d メタンフェタミン
e フェノバルビタール

今回の問題は、身体依存ありの薬剤はどれか?ということなので、

 「体にある鬼婆ベロベロ」

に該当する薬を選べということですね!

 

ということで正解はc、eとなります!

に相当する c モルヒネ(=ピオイドの一種)

に相当する  e フェノルビタール

 

ちなみに、最近はオピオイドモルヒネに変えたり、バルビツールとすれば良いのを接頭に「フェノ」をつけたりと、一見わかりにくい形にして出題されるので、騙されないようにしましょう(^^;)

その他の選択肢ですが、

a 大麻、b コカイン→→精神依存あり、身体依存なし、耐性形成なし
d メタンフェタミン覚せい剤なので、剤がつくグループなのえ精神依存あり、身体依存なし、耐性形成ありのグループですね。

 

以上が115A15の薬物依存に関する問題になります。

 

いずれにせよ、繰り返しになりますが、

違法薬物には絶対に手を出さない!&出させない!

ということが薬物依存で最も重要なことかと思います!

 

これ以外の2021年度(第115回)医師国家試験、精神科問題はこちらから

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました!!!

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追伸:

厚生労働省にも薬物依存に関してわかりやすくまとめたサイトがありますので、興味のある方はぜひご覧ください。

www.mhlw.go.jp

 

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